【セクハラ】の定義、境界線、事例一覧、対策、訴える場合の有効な証拠


厚生労働省のセクハラの定義

厚生労働省は、セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)を以下のように定義しています。

「職場において、性的な言動、身体的な接触、または性的な意図をもって不利益な扱いをすることによって、相手を不快にさせ、または職場環境を悪化させること。」つまり、性的な言動や身体的な接触によって、相手を不快にさせたり、不利益を与えたりする行為がセクハラに当たります。また、そのような行為によって職場環境が悪化した場合も、セクハラに該当するとされています。


セクシャルハラスメントの境界線

セクシャルハラスメントの境界線は、一般的には人によって異なり、文化や社会的背景、職場の状況によっても変わってきます。しかし、一般的には、以下のような行為がセクハラに該当するとされています。

・性的な冗談や下品なジョークを言うこと。
・女性に対して、見つめたり、声をかけたり、身体を触れたりすること。
・性的な関係を強要したり、嫌がる相手に迫ったりすること。
・性的な画像や動画を送ったり、共有したりすること。

境界線はあいまいであり、同じ行為でも、受け取り方や状況によっては、セクハラに当たる場合と当たらない場合があります。セクハラが疑われる場合は、状況や職場のルールに応じて、上司や人事担当者に相談することが重要です。


セクシャルハラスメントの事例一覧

以下は、セクシャルハラスメントの事例の一部です。


性的な冗談や下品なジョークを言うこと。

例)「君はモデルのように綺麗だから、モデルになれば?」「エロい目で見るなよ、お前ら男はそういうのが好きだろ?」


女性に対して、見つめたり、声をかけたり、身体を触れたりすること

例)職場で女性の胸元を見つめる、手を握ったり肩を叩いたりする際に無理に触る、デスクに手を置くときに女性の膝に手が触れるようにする。


性的な関係を強要したり嫌がる相手に迫ったりすること

例)「付き合ってくれたら、昇進させてあげるよ。」「お前が嫌がっても、僕は好きだから」と言って無理やりキスをする。


性的な画像や動画を送ったり共有したりすること

例:職場の同僚に性的な画像や動画を送る、職場内でポルノグラフィを見せたりする。

これらは、セクハラの一例であり、それぞれの状況によっては、セクハラに当たるかどうかが異なる場合があります。セクハラを疑う場合は、すぐに上司や人事担当者に相談することが大切です。


厚生労働省のセクハラチェックシート

厚生労働省が提供しているセクハラチェックシートについては知っています。セクハラチェックシートは、職場におけるセクハラを防止するために、職場内でのセクハラのリスクを把握するためのものです。以下は、セクハラチェックシートの例です。


目的・意義

職場におけるセクシャルハラスメントを予防するために、職場内の状況をチェックすることが目的です。
職場内でのセクシャルハラスメントのリスクを把握することにより、セクシャルハラスメントの防止対策を検討することができます。


チェック項目

職場でのセクシャルハラスメントに関する問題について、以下の項目をチェックしてください。

例)「性的なジョークや下ネタを言う人がいるか」「職場での過剰なスキンシップやセクシャルな視線があるか」など。


結果と対策

チェックの結果、セクシャルハラスメントのリスクがある場合は、セクシャルハラスメント防止対策を検討する必要があります。対策としては、セクハラ防止の方針を策定し、職場全体で周知徹底すること、相談窓口の設置、教育・研修の実施などがあります。セクハラチェックシートは、職場でのセクハラ防止に役立つツールの一つですが、セクハラを完全に防止するためには、職場全体での意識改革やルールの整備など、より広範囲な対策が必要です。


セクハラ対策

セクハラを防止するためには、以下のような対策が考えられます。


1.方針・規定の策定

職場におけるセクハラ防止の方針を策定し、セクハラ防止規定を作成することが重要です。また、これを徹底することで職場全体のセクハラ防止の意識を高めることができます。


2.教育・研修の実施

セクハラ防止のための教育や研修を定期的に実施することで、職場全体のセクハラに関する理解を深めることができます。


3.相談窓口の設置

セクハラの相談や報告を受け付ける窓口を設置し、従業員が安心して相談できる環境を整備することが重要です。


4.適切な処分の実施

セクハラが発生した場合は、適切な処分を行うことが必要です。処分は、厳重注意、減給、解雇など、事情に応じた適切な措置を取る必要があります。


5.上層部の取り組み

セクハラ防止には、経営陣や上層部の積極的な取り組みが必要です。上層部がセクハラに対して明確な姿勢を示すことで、職場全体の意識を高めることができます。

以上の対策を組み合わせることで、セクハラを防止することができます。また、セクハラが発生した場合には、速やかに対応し、被害者の支援や再発防止策を取ることが重要です。


セクハラの被害を受けたら

セクハラの被害を受けた場合には、以下のような行動を取ることができます。


相談窓口に相談する

職場内に相談窓口がある場合は、そこに相談することができます。窓口の担当者は、相談者を守秘義務で保護し、被害にあった内容を正確に把握し、適切な対応をすることが求められます。


労働組合や労働弁護士に相談する

労働組合や労働弁護士に相談することもできます。労働組合は、被害者を支援するための手続きやアドバイスを行い、労働弁護士は、法的なアドバイスや支援を行います。



相談先を探す

相談窓口や労働組合がない場合は、自治体やNPO法人、弁護士会、女性センターなどに相談することができます。


職場に報告する

上司や人事部に被害を報告することもできます。職場によっては、被害者に対する支援や再発防止策を取るための対応を行ってくれる場合もあります。


警察に相談する

セクハラが犯罪に該当する場合は、警察に相談することができます。

被害者自身での対応が難しい場合や不安がある場合は、支援を受けながら対応することが大切です。


セクハラで訴える場合の有効な証拠

セクハラで訴える場合、有効的な証拠として以下のようなものがあります。


証言

被害者自身の証言や、目撃者や聞き込み調査などで得られた証言が有力な証拠となります。


メールやチャットの内容

セクハラ的な発言や行為が含まれたメールやチャットの内容があれば、その内容を保存しておくことが有効です。


記録

セクハラ的な発言や行為があった場合には、被害を受けた日時や場所、相手の名前や内容などを記録しておくことが大切です。


医療証明書

セクハラによって精神的な苦痛を受けた場合には、医療機関で診断書をもらうことが有効な証拠となります。


録音や録画

相手の同意を得た上で、録音や録画をすることも有効な証拠となります。ただし、相手のプライバシーや肖像権を侵害することになるため、慎重に行う必要があります。

これらの証拠は、個々の状況によって有効性が異なるため、弁護士や専門家のアドバイスを受けながら訴えることが重要です。


転職も選択肢に入れる

セクハラが起きるような職場は、職番の教育も十分に行われていない可能性が高く、セクハラ以外にも問題が多い場合が殆どです。転職もひつとの選択肢になります。



まとめ

いかがでしたか。今回は、セクハラについてご紹介させて頂きました。