【サービス残業】は告発が可能、相談窓口、多い業種、退職後も請求は可能

サービス残業は違法です。未払い残業代がある場合は、証拠を集め適切な相談窓口に相談する様にしてください。サービス残業が慢性化している企業は、体質も古く建設的な仕事がやりにくい環境である場合があるため、未払い残業代を請求し、サービス残業がない会社に転職するのがおすすめです。


未払い残業代を請求する方法

未払い残業代がある場合は、以下の手順で請求する事が可能です。


証拠を集める

相談する際は、証拠を持って行くと、話が進みやすくなります。証拠があることで、違法行為の有無や取り得る処置について具体的に話し合うことができます。サービス残業がある場合、それに関する情報をメモや日記として記録しておくと良いでしょう。タイムカードや、ICカードの通過履歴なども、出退勤の証拠として有効です。さらに、残業代が未支払いであることを示すためには、給与明細を持参することが重要です。これにより、労働時間と未払いの残業代を明確にすることができます。


相談窓口に相談する

相談窓口は様々な種類があります。会社の対応状況に合わせ、適切な相談窓口に相談するのがおすすめです。


相談窓口


弁護士

弁護士は、問題の解決に最も確実性が高い相談窓口です。会社との残業代に関する問題が和解できない場合でも、裁判を通じて法的に争うことが可能です。弁護士は会社とのやり取りを代行してくれるので、相談者の時間や労力、精神的な負担を軽減することができます。法律の専門家がサポートしてくれるため、安心して問題の解決を進めることができます。サービス残業代の裁判にも、弁護士が代理人として相談者をサポートします。


社会保険労務士

社会保険労務士は、労働に関する法律の専門家です。サービス残業代の計算などのアドバイスをしてくれますが、実際の交渉や賃金の回収の権限はありません。そのため、残業代を取り戻すためには、自分自身で交渉や催促をする必要があるのが難点です。


労働基準監督署

労働基準監督署への告発も一つの方法です。この機関は、労働基準法に反する企業の是正を目的としています。しかし、労働基準監督署が自ら積極的に動くことは少なく、相談者が事前に証拠を整えるなどの準備が求められます。そのため、弁護士への相談に比べて、手続きの迅速性や解決の確実性は低めと言えます。


公務員は労働基準監督署に告発できない

公務員の場合、サービス残業は違法とされていますが、労働基準監督署への告発は行うことができません。これは公務員が法律上の「労働者」として認識されていないためです。労働基準法に定められている「労働者」とは、「事業に使われる者」を指すものです。しかし、公務員の仕事は「公務」に該当し、「事業」ではないので、この定義から外れます。このため、公務員がサービス残業に関する残業代の請求を行う際には、裁判を起こす必要があります。


労働組合

労働組合の協力を得ることは、サービス残業の問題を解決する一つの方法です。会社に労働組合が存在しない場合でも、「合同労組」に個人として加入することが可能です。告発する際には、家族や労働組合など、第三者からも情報提供を受けることができます。労働基準監督署に告発が受け入れられると、事実確認の「臨検」が行われます。調査を通じてサービス残業が確認されると、企業に対して是正勧告が出されます。また、未払いのサービス残業代については、最大2年間分を遡って請求することが可能です。


退職後でも残業代の請求は可能

求や告発が可能となります。実際に多くの人々が退職後に残業代の請求を行っていますが、証拠の収集は退職前に完了させることが重要です。時効の開始は、「残業代が支払われるべき日」からとなるため、経過する毎に請求可能な期間が短くなります。例として、退職から半年が経過している場合、残業代の請求は過去1年半分だけとなります。そのため、残業代の問題を解決するためには、退職前に弁護士などの専門家への相談を開始し、退職後すぐに会社へ内容証明郵便を送ることが推奨されます。


サービス残業の多い業界


広告業界

業種や職種によって、残業の頻度や時間が異なります。広告業界はその代表例で、多くの残業が発生しているとされています。過去には、広告業界での過労による社員の自殺が報道され、業界全体の残業の問題が注目されました。クライアントの要望に柔軟に応える文化や、依頼内容の急な変更などが原因で、多くの社員が長時間労働を余儀なくされています。さらに、人手不足という状況が加わることで、労働時間が増える傾向にあります。特に大手の広告代理店などは、古くから続く体育会系の企業文化が根付いているため、社員が自主的に残業を行う、いわゆるサービス残業が発生しやすいのも特徴です。


金融業界

金融業界においても、サービス残業の問題は深刻です。特にメガバンクや信託銀行などの大手金融機関では、その傾向が強いとされています。メガバンクには、財閥系の大手企業が多く、その歴史や伝統の中で形成された古い労働意識が今も残っています。このような背景から、業務の効率化への取り組みが進んでいない部分もあり、結果として残業が増える傾向にあります。一方、地方銀行や中小の金融機関では、規模が小さく、コミュニケーションが密であることや、地域に根ざした経営がされているため、業務の効率化や労働環境の整備が比較的進んでいます。そのため、残業そのものが少ないところが多いのです。


医療・福祉業界

医療業界や福祉業界は、確かにサービス残業の問題が深刻です。特に、日本の高齢化が進む中で、これらの業界での人手不足は深刻化しています。多くの医療・福祉施設では、患者や利用者のニーズに応えるため、職員が連続して長時間労働することが求められます。しかし、それに見合った報酬が支払われない場合や、労働時間が正確に記録されないケースもあるため、サービス残業が発生しやすい環境にあります。
また、医者や専門家に比べて、看護師や介護士などの現場スタッフは、報酬や労働環境の面で不利な状況に置かれることがしばしばです。彼らは、患者や利用者との直接のコミュニケーションが多いため、労働時間の短縮や休憩の確保が難しい場面もあります。このような背景から、医療・福祉の現場でサービス残業が続発している現状が、多くの従事者からの声として上がっています。この問題を解決するためには、業界全体での人手不足の改善や、正確な労働時間の管理、適正な報酬の確保などの取り組みが求められます。


販売・サービス業

販売・サービス業の中には、実際にサービス残業が多い企業やブラック企業と呼ばれる企業も確かに存在します。店舗運営を持つ企業は、顧客対応や品出し、在庫管理などの業務が終了時間を超えて続くことが多く、従業員に残業を強いる傾向があります。特にピーク時やセール時期など、業績が特に集中する時期は、従業員の労働時間が非常に長くなることもあります。また、一定の役職以上の人に対して、固定の月給制を採用しており、時間外労働手当が支払われないケースも少なくありません。これにより、特に管理職やリーダー職の従業員は、多くのサービス残業を強いられることがあります。ただし、全ての販売・サービス業がサービス残業が多いわけではありません。企業や店舗、経営者の意識によっては、従業員の労働環境を大切にし、残業を減少させる取り組みを行っているところもあります。転職を考える際は、企業の評判や過去の取り組み、従業員の声などをしっかりとリサーチし、働きやすい環境を提供している企業を選ぶことが大切です。


IT業界

IT系職種、特にSEやプログラマーの業界におけるサービス残業の問題は、多くの議論の的となっています。以下は、その背景や理由をいくつか挙げます。


プロジェクトの急な変更や追加

ソフトウェア開発の現場では、顧客からの要望や仕様の変更が突然発生することが多い。このような変更が頻繁に起こると、開発者は予定された時間内での完了が困難となり、結果的に残業を余儀なくされる。


バグや障害の対応

ソフトウェアには不具合やバグが生じることがあり、これを速やかに修正する必要がある。特にサービスの稼働中に問題が発生した場合、急いで対応しなければならないことが多い。

納期のプレッシャー

完成の期日やリリース日に間に合わせるためのプレッシャーは、開発者に大きな負担を与える。


人材不足

IT分野は急成長しており、十分なスキルを持つ人材が不足している場面も多い。このため、既存のスタッフに多くの業務が集中し、過重な業務量となることがある。


企業文化や経営方針

一部の企業では「長時間働く=努力家」という風潮が根付いており、これがサービス残業を助長している場合もある。


報酬体系

一部のIT企業では、固定給制や管理職扱いとなり、時間外手当が支払われない制度が取り入れられている。これが、サービス残業を増加させる要因となっている。

近年では、ワークライフバランスの重要性が認識され、多くのIT企業が改善の取り組みを進めています。しかし、まだまだ残業文化が根付いている企業も少なくないため、求職者は転職先を選ぶ際に、企業の働き方や文化、評価制度などをしっかりと確認すること


サービス残業のない会社に転職する

未払い残業代を請求が終わったら、サービス残業の無い会社に転職するのがおすすめです。サービス残業が慢性化している企業は、体質も古く労働環境も悪い会社が殆どです。


裁量労働制・みなし残業の求人は避ける

「裁量労働制」や「みなし残業」、「固定残業代制」といった給与体系が導入されている企業では、サービス残業が生じるリスクが高まります。これらの制度は、表面上は働き方の柔軟性を提供するためのものとして導入されることが多いですが、適切に運用されない場合、労働者の権利を侵害することになります。裁量労働制は、業務の成果によって労働時間を評価する制度であり、一定の業種や職種に限られて適用されるべきものです。しかし、適切でない業種や職種で導入された場合、実質的なサービス残業の原因となります。

みなし残業や固定残業代制も、実際の残業時間と比較して十分な報酬が支払われない場合が多く、労働者が適正な報酬を受け取れないことが問題とされています。

これらの給与体系について、以下の点を注意して評価することが重要です。


情報収集

求人情報だけでなく、現職員や元社員からの情報、企業の評判、ネットの口コミなどを参考にする。


面接時の確認

実際の業務内容、残業の有無、労働時間の取り決めなどを具体的に確認する。


給与詳細の確認

給与明細を詳しく確認し、実際の働いた時間と報酬が適切に反映されているかを検証する。

サービス残業を避けたい場合は、これらの給与体系が導入されている企業に対して十分な注意と検討が必要です。適正な労働環境と報酬を求めることは、労働者の基本的な権利ですので、自身の働き方と報酬について十分な確認と評価を行うことが大切です。



まとめ

いかがでしたか。今回は、サービス残業を告発する方法についてご紹介させて頂きました。